こんにちは。

みずもとメンタルクリニック院長の水元です。

 

今朝、マライア・キャリーが「双極性障害」であることを告白したとのニュースが流れていました。

 

ここで双極性障害について少し・・・

 

「双極性障害」は、以前は「そううつ病」と呼ばれていましたが、中身はほぼ同じものです。

気分が高揚する「そう状態」と、気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す病気です。

「そう状態」の程度により、Ⅰ型(そう状態が激しい)とⅡ型(そう状態が穏やか)に分類されます。

一見、「うつ病」に近い病気と思われがちですが、実は「双極性障害(躁うつ病)」と「うつ病」は全く異なる病気であることがわかっています。

ただ診断が難しいことが多く、うつ状態で来院された時に「うつ病のうつ」なのか「双極性障害のうつ」なのか迷うことがあります。なので、途中で診断が変更になることも珍しくありませんし、過去のエピソードも重要になってきます。

 

当然治療方法も異なってきます。

「うつ病」では主に抗うつ薬を処方しますが、「双極性障害」の場合は主に気分安定薬という気分の波を抑える薬物を処方します。あまりにうつ状態がきつい時には抗うつ薬を処方することもありますが、「躁転」という急激にうつ状態からそう状態に変わることがあるため注意が必要です。

気分が落ち着いていても、基本的には年単位で薬を服用し治療を続けていく必要があります。

 

一見、困った病気のように感じられるかもしれませんが、実は世の成功者には双極性障害の方が多くおられます。

そう状態のときはアクティブになっていますから、様々なアイデアが浮かんできてそれを実行することで、会社が大きくなったり、芸術家として成功することもよくあるようです。

マライア・キャリーがここまで有名になったのも双極性障害の影響があったのかもしれませんね。

 

このような有名人の告白がきっかけで、疾患の理解が広がり深まることは良いことだと思います。

 

疾病を悪いものと考え治療するだけではなく、共存するという考え方を持つことでいい方向に進むことが出来るかもしれませんし、それも含めてその人の個性と捉える事ができれば今よりも居心地の良い世の中になるかもしれませんね。