強迫性障害
強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認を繰り返してしまうことで、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまい払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。
主な症状
- 不潔恐怖
電車のつり革につかまったりトイレに行ったりすると、ばい菌に汚染されたのではないかと思い、必要以上に手を洗ったり、お風呂に入ったりしてしまう。
- 安全確認
家を出るときにカギを閉めたか、電気を消し忘れていないかなどと不安になり、何度も家に戻って確認してしまう。
- 加害恐怖
自分の行為が誤って人を傷つけてはいないか不安になる。車の運転中に何かを踏んだりすると、誰かをひいていないかどうか確認する。
- 強いこだわり
衣服を着るときなどに、必ずきめられた順序で行わなくてはいけないと考える。順序を間違えると最初からやり直すため、1つの行為に長い時間がかかる。
当院での治療方法
SSRIという精神面に影響を与える物質のバランスを保つ薬を使った薬物療法と、どのような考えで強迫行為を行ってしまうのかを把握して対処法を考える、認知行動療法を用いて治療を行っていきます。強迫性障害は日常生活に支障がないレベルまでに治療する事は可能ですが、症状を完全になくすことは難しい病気です。改善した状態を保つために、病気への対処法をしっかりと身に着けることが治療のポイントです。
また、自助グループへの参加を勧めることもあります。
治療についての注意点
強迫性障害の薬は、効果が見られた場合でも、1~2年程度治療を継続しないと再び症状が重くなる恐れがあります。効果がないとご自身の判断で服用を止めると、症状を悪化させたり、治療が長引く原因となってしまうため、焦らずゆっくり治療に取り組むことが大切です。